ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ダイキチデラックス

ビーマイベイビー 信藤三雄レトロスペクティブ

信藤三雄  2018年


もう回顧展か? とも思ったが

 私の住んでいる京都市は「文化首都」を名乗っている。つくづくド厚かましいというか、身の程知らずだと思う。千年の都とか言っているが、古さという点では奈良に100年負けている。各種文化イベントでも、大阪、神戸に大きく水をあけられ、展覧会やコンサートは京都を素通りする。ただ古いというだけの、時代から取り残された田舎。プライドだけは高いから、そんな事実を認めることができず、だから改革することもできない。それが京都市なのである。

 のっけからこんな恨み言を言うのは、またまた東京で良い展覧会があったからだ。アートディレクター信藤三雄の回顧展である。この本は、その図録として制作されたもの。クソ田舎の京都に住む私としては、これを読んで楽しむ以外にない。悲しいことである。文化首都を名乗るなら、こういう回顧展を誘致してみろ。成田亨展だって生賴範義展だって引っ張ってこられなかったくせに、何が文化首都だ、恥を知れ。

 クソド田舎の京都に住む私としては、これを読んで楽しむ以外にない。実に実に悲しいことである。あんまりムカつくんで二回言いました。私はピチカートファイブが大好きなので、『トウキョウ・モナムール:ピチカート・ファイヴのグラフィック・デザイン1985-2001』と併せて楽しんでいる。ピチカートファイブは、その楽曲の良さもさることながら、信藤三雄のアートワークも込みの魅力だったのだなぁと再確認。この本には、松任谷由実やミスチルなんかの仕事も満載で楽しいけれど、CDなんぞという代物が全然売れない昨今、こういう仕事自体がなくなっていくのかなぁと寂しい気持ちにもなる。なるほど回顧展をやるタイミングだったんだなぁと納得。


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