ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ダイキチデラックス

街の灯 CITY LIGHTS

[監督、出演]チャールズ・チャップリン  1931年


放浪紳士チャーリー最高傑作

 はい、またお会いしましたねぇ、と何故か自然に淀川長治口調になってしまうチャップリンの映画です。バスター・キートン、ハロルド・ロイドと並ぶ「世界の三大喜劇王」チャップリンの名作です。チャップリンなら何を見ても良いというようなものですが、これは特に甘い甘い映画ですねぇ。こういう映画を好きだ、と言えるようになったのは歳をとったおかげですねぇ。なかなか言えませんよ、気恥ずかしくて。

 主人公は浮浪者のチャップリン。チャップリンはある日、盲目の花売りの娘ヴァージニア・チェリルと出会い一目惚れしてしまう。チャップリンは花売りの娘から花を買って金持ちの紳士を装っていた。いつの間にか娘にとって、チャップリンはただの金持ちではなく、それ以上の存在となっていた。チャップリンは病気の彼女の為に働き出し、できる限りの献身をする。ある日、娘とその祖母が家賃を滞納し立ち退きを迫られていることを知ったチャップリンは、娘を助けるためにお金を用意しようとする。しかし仕事はクビになり、途方に暮れていると偶然酒に酔った富豪ハリー・マイヤースと再会する。ハリーは、以前、妻と別れ自殺しようとしたところを助けられてチャップリンと友達になったのだが、酔いがさめると、チャップリンのことは忘れてしまう男だった。金策に困り抜いていたチャップリンに、酔っていたハリーは気前よく1000ドルをポンと投げ与えた。が、間の悪いことに強盗が押し込んで来て、ハリーは叩きのめされてしまう。正気に返ったハリーは、もう先刻のことを忘れてしまっていた。警官に疑われたチャップリンはハリーの家から逃走、花売りの娘に家賃と目の手術代として1000ドルを渡し握手をするとその場を立ち去る。その帰りにチャップリンは警官に無実の泥棒の容疑で捕まってしまう。それから年は過ぎて、無実の刑に服したチャップリンが、また町に出て来たとき、裟婆の風は冷たく彼を吹いた……。

 こういう映画を見なくちゃいけませんね、やっぱり。白黒だからとかサイレントだからとか、そんなことは見ない理由にはならないのです。ネタバレになるから詳しく書けませんが、既にトーキー時代であったにもかかわらず、サイレントであることを最大限生かした、字幕ならではの、トーキーでは出せない感動が押し寄せるラストシーン、これに涙しない奴は人間じゃないよ。当然、英語の字幕ですが、小学生でも理解できる内容なので安心です。この後、チャップリンは、『モダン・タイムス』『独裁者』『殺人狂時代』『ライムライト』と撮っていくわけですが、だんだんと思想が絡んでくる後期の作品よりは、こういうロマンチックな映画の方がいいですね。こういう映画に涙し、感動できる心を持ち続けていたいものですね。お子様の情操教育にも是非、と、いうわけで、時間が来てしまいましたね。また、お会いしましょうね、さよなら、さよなら、(ちょっと間を空けて)さよなら。


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