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ダイキチデラックス

シャレード CHARADE

[監督]スタンリー・ドーネン [出演]オードリー・ヘップバーン、ケーリー・グラント  1963年


すてきなオードリーに危機一髪!

 スキー旅行先で、富豪の夫との離婚を決意したオードリー・ヘプバーン。旅行からパリの自宅に戻ると、家財道具一切が部屋から持ち出されており、夫の姿も見えない。警察によれば、夫は家財道具のすべてを競売にかけ、その落札代金25万ドルを持ってパリ脱出のために列車に乗ったが、誰かに突き落とされて殺されたという。そこへ、スキー旅行先で知り合ったケーリー・グラントが現れる。グラントは彼女に「夫の事件は新聞で知った。何か協力できることはないか」と申し出る。更にチャールズの葬儀に、ハゲで小柄なネッド・グラス、やせて背の高いジェームス・コバーン、大柄で右手が義手のジョージ・ケネディが順次現れる。オードリーは、夫が、グラス、コバーン、ケネディとともに第二次世界大戦中、25万ドル相当の金塊を盗み、戦況の悪化に乗じて独り占めしたことを知らされる。25万ドルのありかは妻のオードリーが知っているに違いないと信じた3人は、オードリーに「金をよこせ」と脅迫する。3人の脅迫からオードリーを守ろうとするグラント。しかし、グラントも実は3人の仲間ではないかとの疑いが芽生える。やがてケネディ、グラスが何者かに殺される。殺人者は?次に殺されるのは?そして、25万ドルの行方は?

 ローマ字で「し」を「shi」と書くのはヘボン式。作ったのはジェームス・カーティス・ヘボン(James Curtis Hepburn)で、オードリー・ヘップバーン(Audrey Hepburn)と同じ姓。だから、彼女も「オードリー・ヘボン」と読むのが原音に近いというのは豆知識。それはさておき、ロマンティック・サスペンスの古典です。いきなりタイトルバックがオシャレでかっこいいです。こういうセンスは、日本映画では、なかなかないもので、匹敵するのは市川崑監督の『天河伝説殺人事件』くらいではないでしょうか。そして、ここで流れるテーマ曲は、天下のヘンリー・マンシーニ作曲。よくスローテンポで演奏されますが、ここでのアップテンポの方がグッときます。タイトルバックだけでお腹いっぱいという感じですが、中身もなかなか面白いサスペンスです。軽いと言えば軽いし、他愛ないと言えば他愛ないのですが、ここまでオシャレに見せてくれたら、それだけで納得。ヘップバーンがファッションモデルという設定で、ジバンシィの衣装をこれでもかこれでもかと着まくります。あのバカでかいサングラスが忘れられませんね。ヘップバーンはジバンシィが随分とお気に入りだったようで、『麗しのサブリナ』『おしゃれ泥棒』『ティファニーで朝食を』でも着まくっています。

 ヘップバーンのサスペンスと言えば、『暗くなるまで待って』もありますが、こちらの方がコメディ色もあるので、サスペンスやスリラー(今日び、こんな言葉使わんか)というだけで尻込みする人でも安心。で、こういう会話がオシャレな映画は吹き替えで見なくちゃいけません。もちろん主演は池田昌子!ジェームス・コバーンは小林清志!ケーリー・グラントは中村正!こういうフィックス声優がいる昔の映画は本当に楽しいです。


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