激突！殺人拳

［監督］小沢茂弘　［出演］千葉真一、志穂美悦子、石橋雅史　　1974年

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極悪非道、外道サニ千葉大暴れ！

　空手、拳法の達人であるサニ千葉は、殺人、誘拐など非合法な依頼を請け負う非情なプロフェッショナル。サニ千葉は千葉治郎と志穂美悦子の兄妹から、殺人空手の使い手で死刑囚の兄、石橋雅史の脱獄を請け負い、香港へ逃がすことに成功する。しかし兄妹は成功報酬全額を払えなかったため、サニ千葉は悦っちゃんを売り飛ばすと言い放つ。治郎はサニ千葉に立ち向かうが全く歯が立たず、跳び蹴りをかわされて高層マンションから転落死。悦っちゃんは長渕、もとい渡辺文雄に売り飛ばされ、極東マフィア組織の五竜会の手に落ちてしまう。渡辺文雄に超人的な腕前を見込まれたサニ千葉は、「ベルネラ石油の令嬢、中島ゆたかを誘拐してほしい」と依頼されるが、五竜会が、ゆたかを誘拐して石油王国を乗っ取るために自分を利用しようとしていることを知り、逆にゆたかの護衛を買って出る。五竜会は、サニ千葉抹殺を香港の九竜暗黒街のボス山本麟一に依頼、山本は甲賀幻妖斉こと天津敏ら屈強の部下を連れて来日する。その頃、ゆたかは父親の部下である遠藤太津朗の罠にかかり、五竜会の手に落ちてしまう。救出に向かうサニ千葉の前に、治郎の仇と狙う石橋、悦っちゃん兄妹が立ち塞がった。

　世界的大スター、最近はオタク野郎タランティーノの新作のために一肌も二肌も脱いでいるサニ千葉がはじけまくる作品。はじけてない千葉ちゃんなんて見たことないけれど、本作での千葉ちゃんのはじけっぷりは異常です。はっきり言って極悪非道です。感情移入なんか断固拒否！って感じで、非情に徹するだけならともかく、プロフェッショナルの美学とか矜持とか、そういったものを全く感じさせず、とりあえず暴れまくっています。約束した金を払わなかったからと言って悦っちゃんを売りとばしたり、実弟である治郎君を転落死させたりするほど割り切っているわりに、渡辺文雄に利用されるのがイヤだというだけでマフィアを敵に回すなど、「俺はやりたいようにやる」以外に理屈が思いつきません。とにかく行き当たりばったりで、ムカツク相手の敵に廻って、ブチ殺しまくります。アクションシーンは本格的に恐ろしく、剛柔流八段、極真空手七段で、あの大山倍達に頼まれて、大山道場と初期の極真会館で師範代を務めた石橋雅史は、本気で千葉ちゃんを殺そうとしています。普通に役者を目指していたのに、自分をアクション映画の地獄道に引きずり込んだ後輩、千葉ちゃんが許せなかったのでしょうか。しかし、一番印象的なのは、敵のチンピラ川谷拓三が脳天に一撃食らったときに『必殺からくり人 富嶽百景殺し旅』ばりの頭蓋骨アニメが出てきたことですね。見た後に何も残らない低脳ウェルカム映画ですので、石橋雅史と再戦する続編『殺人拳2』も見ましょうね。

　といったところで、突然思いついたんですが、千葉ちゃんと藤岡弘のダブル主演で映画を撮ってくれないだろうか。二人ともハリウッドで認められたアクションスターだし、この二人が外道アメ公どもをぶち殺しまくる一大濃厚アクション巨編を大スクリーンで見たい！めちゃめちゃ見たい！タランティーノが撮らないかなぁ。ロバート・ロドリゲスでもいいのだが。

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