ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ダイキチデラックス

名探偵コナン 時計じかけの摩天楼

[監督]こだま兼嗣 [出演]高山みなみ、山崎和佳奈、神谷明  1997年


小さくたって頭脳は同じ。迷宮なしの名探偵!真実はいつもひとつ!

 顔は子供、体は大人、頭はパーで門限なしという理想のおねえちゃんとはまったく関係なく、見た目は子供、頭脳は大人の名探偵コナンは、いつも時計型麻酔銃で迷探偵・毛利小五郎を眠らせ、変声機を使って小五郎を演じつつ正体を隠して難事件を解決していた。ある日、一家で病院を営んでいる黒川邸で主人の黒川大造が何者かに殺害されるという事件が発生、この事件も見事に解決した。ある日、コナンの正体である高校生名探偵・工藤新一に、高名な建築家である森谷帝二からパーティーの招待状が届く。新一は電話でガールフレンドの蘭に代理出席を頼み、自分はコナンとして蘭に付き添うが、殺人事件があった黒川邸が森谷の設計であることを知る。その翌日、特殊火薬が盗み出され、森谷の設計した建築物が次々に放火されるという事件が発生する。次に爆破されるのは一体どこなのか?そして、環状線爆破の予告が……!事件の謎を解こうとするコナンだが、蘭が新一を待つ映画館のビルにも爆弾が仕掛けられているという。犯人像も、その目的も分からないまま、最終爆破のタイムリミットが刻一刻と迫る……!コナンは真相に辿り着けるのか?そして、蘭を助け出すことができるのか?

 記念すべき劇場版第1作。これを見ると、現在のキャラクターデザインが随分とマイルド路線に変わったのだなぁ(蘭ねえちゃんの髪の毛の尖り具合だけは先鋭化しているようだけれど)と感慨深くなるほど、かなりキツイ顔立ちです。それはともかく、稼ぎまくりのコナンの映画。どれもこれも最高!……とは、さすがに言いませんが、稼いでいるだけあって、どれもこれも、そこそこ面白く、人気があるのも頷けます。私としては、第3作『世紀末の魔術師』、第5作『天国へのカウントダウン』、第9作『水平線上の陰謀』、第13作『漆黒の追跡者』、第14作『天空の難破船』が良い出来だと思いますね。原則として奇数回に良い出来のものが多いようですので、スタッフも休み休み作っているのかなぁと邪推したりしてしまいます。しかしながら、この第1作の面白さには逆立ちしたって勝てません。あのキャラクターがレッドへリングとして登場していたのを見たときにはビックリしましたねぇ。本作で初登場して、後にレギュラー入りしたそうなのですが、リアルタイムで見なかった人の方が驚くのではないでしょうか。

 とにかく、ミステリマニアをも唸らせる見事な構成、爆破までのタイムリミット設定によるサスペンスも満点。ミステリ映画には駄作が多いというけれど(そして悲しいことに、それは真実だったりするのだけれど)、これは別です。まぁ、ミステリ映画じゃなくて、サスペンス映画でしょって言われそうですが、極めてミステリ色が濃いことは間違いありません。この犯人の犯行動機なんて、ちょっと予測することなんてできませんからね。そして、ラブコメ的にもキッチリ落としてくれるあたりが人気の秘密なのでしょう。あのラストなんか、いい歳こいたオッサン(私だ)には恥ずかしすぎてマトモに見ていられませんよ。


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