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ダイキチデラックス

デモリションマン DEMOLITION MAN

[監督]マルコ・ブランビヤ [出演]シルベスター・スタローン、ウェズリー・スナイプス  1993年


21世紀、もっとも危険な警官。21世紀、もっとも残忍な犯罪者。

 シルベスター・スタローンと言えば、一般には『ロッキー』『ランボー』の両シリーズで有名な、アーノルド・シュワルツネッガーと並び称されるアクションスター。しかし、『映画秘宝』なんかを読んでいる人にとってみれば、汁平・すたすたローンは、毎年アカデミー賞授賞式の前夜に「最低」の映画を選んで表彰するゴールデン・ラズベリー・アワードの常連さん。最低主演男優賞を何回取ったことか。ノミネートされたものまで入れれば、それこそ星の数である。そのせいで1980年代最低男優賞も取ったし、「彼がした全てのことの99.5%に対して」20世紀最低男優賞まで捧げられている。なんとなく、映画に出れば出るほどドツボにはまっていくような気もするが、脳みそを使わずに見られるという点において、私のようなボンクラにはとてもありがたいスターさんでもあります。

 1996年、ロサンゼルス。デモリションマン(破壊野郎)の異名をとる刑事のシルベスター・スタローンは、ビルに立てこもった凶悪犯ウェズリー・スナイプスを逮捕したが、スナイプスの罠にはまり、30人の人質を死なせてしまう。スタ公は作戦失敗の責任を問われ、スナイプスと同様に、70年の冷凍刑に処せられた。そして、2032年。社会はすべてコンピューターで管理され、市民は快適な生活を送っている。ナイジェル・ホーソーン市長の政策によって犯罪や暴力は姿を消していた。聴問会の決定で36年ぶりに仮釈放(解凍)されたスナイプスは、看守たちをブチ殺して逃走、悪逆非道の限りを尽くす。平和ボケしてしまって、20世紀最大の凶悪犯になすすべのない未来警察。伝説の刑事が冷凍されたままなのを知っていた女性警官サンドラ・ブロックは、同じく冷凍刑になっていた荒くれスタ公を蘇生させ、凶悪犯にぶつけることを提案する。

 本作は、ウェズリー・スナイプスとのダブル主演といったところで、華麗で痛そうなアクションが次々に展開されます。筋肉と筋肉のぶつかり合いだけでも十分おなか一杯になるのですが、『スピード』前年のサンドラ・ブロックは、まだ肉食獣な顔立ちになっておらず、可愛く見られるお宝映像と言っていいでしょう。そんなサンドラ・ブロックが、バーチャルセックスでイッてしまうシーンでひと笑い。ヒーロー解凍ものとしては、シリアスな『SFソードキル』という映画もありますが、あれとは違って、やっぱり笑ってしまう本作。スタ公の映画には、何か呪いがかかっているとしか思えません。未来都市なデザインの数々もベタで面白いのに、何故こうもアホアホになるのでしょう?スタローンが冷凍されているところがバッチリ全裸だから?一応SFで未来が舞台なのに、結局タンクトップ1枚で殴り合うという、お決まりの展開だから?でも、まだ笑える範囲で、これがエスカレートした『ジャッジ・ドレッド』は、さすがの私でも笑えませんでした。


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