ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ダイキチデラックス

キューティーハニー

[監督]庵野秀明 [出演]佐藤江梨子、市川実日子、村上淳  2004年


みんなのハートをちゅくちゅくしちゃう

 永遠の美をもたらすIシステムを狙うシスター・ジル率いる謎の秘密結社パンサークロー。Iシステム開発者の如月博士は、愛娘ハニーにシステムを託していた。上司に怒られつつもタチバナ総合商事でOLライフをエンジョイしている如月ハニーは、おむすび大好きな女の子。しかし、その正体は、「Iシステム」を発動させて何にでも変身できるアンドロイド、愛の戦士・キューティーハニーである。Iシステムの秘密を探るべく、悪の結社パンサークローが動き出した!愛と友情と平和を守るため、ハニーは警察庁公安8課の市川実日子警部や自称新聞記者の村上淳と協力し、父の仇パンサークローの刺客、ブラック・クロー及川光博、ゴールド・クロー片桐はいり、コバルト・クロー小日向しえ、スカーレット・クロー新谷真弓たちとのバトルに挑み、パンサークローの幹部シスター・ジル篠井英介に迫る!

 というわけで、あのアニメの実写版。正直、佐藤江梨子がハニーと聞いたときには「ダメだこりゃ」と思ったもんだ。アニメとイメージが全然違うし、小池栄子だの根本はるみだの、イエローキャブ所属の女って乳がでかいだけで全然可愛くないし、そんなわけで期待しないで見たら、これが大傑作だったわけです。アニメを実写化したものの、これはひとつの理想形ではなかろうか。アニメを知っている世代への目配り(あのポップでサイケな映像が再臨!主題歌に変身シーンのBGMはアニメのものをアレンジして使用!)も当然ながら、アニメを知らない人でもキッチリ楽しめるように作られていて、単なるマニア受け(を狙った失敗作)に堕ちていない。偉い。さすがオタクの気持ちがよく分かる庵野秀明監督作品である。

 そして、最大の誤算だったのは、サトエリの可愛らしさ。驚異的に柔らかい体や入浴シーンはもちろん、徹頭徹尾キューティーで、不細工な小池栄子とは大違いである。それだけではなく、普段の情けないOLから、キューティーハニーになった時の凛々しさまで見事に演じている。見る前に貶していてすみませんでした。そして、いい味出している市川、アニメのまんまの村上と主役トリオも素晴らしいが、脇を固める人達も、相変わらず出たがりな京本政樹(台詞は殆どなし)をはじめ、何故こんなところに?の吉田日出子、髪の毛をプロペラのように振り回して、人間タケコプターと化すテンションぶっちぎり金粉魔女片桐はいり、そして戦い前に楽隊を率いて一曲ぶちかます「♪ 戦い それは究極の喜び 我が武力の前に 強きその身が横たわる 嗚呼!その時だけが 我が欲望を満たしてくれる 嗚呼!嗚呼!我こそが 嗚呼!嗚呼!最強の戦士 ブラック・クロー 今!参上」顔がシマウマ状態のミッチー王子(本当は、京本が演じたかった役ではないだろうか)。特にミッチー王子の活躍ぶりはスゴイ。一世一代のハマリ役と言ってもいいでしょう。全然関係ないけれど、この人の「薔薇色の人生」って良い曲ね。とにかく頭悪っ!サイコー!というわけで、エンターテインメントのお手本みたいな映画です。これを貶す奴の気が知れません。


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