ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ダイキチデラックス

ウルトラマンメビウス

[出演]五十嵐隼士、仁科克基、斉川あい、渡辺大輔、平田弥里、内野謙太、田中実  2006年


無限に続く光の中へ

 「怪獣頻出期」と呼ばれる、ウルトラマンが地球を守っていた時代が終息してから25年。突如、宇宙から飛来してきた怪獣を前に、経験不足の対怪獣防衛チームCREW GUYSは隊員1名だけを残して全滅してしまった。街を蹂躙する怪獣の前に、25年ぶりに光の巨人が立ち塞がる。彼こそ、ウルトラマンの故郷・M78星雲光の国からウルトラの父の命を受けて地球に降り立った宇宙警備隊のルーキー、ウルトラマンメビウスである。ルーキー同士のメビウスと新生GUYSは、ともに地球を守りながら成長していく。

 ウルトラマンシリーズ誕生40周年記念作品にして親子二代で楽しめる超娯楽作。しかし前半部、M78星雲人初の青いウルトラマン、ヒカリ(この名前はもうちょっと何とかならんかったのか)編は、正直あんまり面白くありませんでした。しかし、今から20年前、ウルトラマン、セブン、新マン(誰がジャックなんて呼ぶものか)、エースのウルトラ兄弟が、変身能力と引き換えに封印した究極超獣Uキラーザウルスの復活をもくろむ宇宙人連合との戦いを描く同年9月の劇場版『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』公開、10月放送の第29話で正体がばれ、ウルトラマンタロウがやって来て以降は、盛り上がるわ盛り上がるわ、もう毎週待ちきれないシャブ中状態(もっとも欠番にしてほしい超駄作、直木賞作家のオナニー作品、第32話「怪獣使いの遺産」ってのもあったが)。

 特に、真夏竜がレオ当時のダン隊長を髣髴させる熱いスパルタ教育を行う第34話「故郷のない男」(ウルトラマンゼロのシリーズでレオが重要な役を担っているのは、これが好評だったからと思われる)、うやむやに終わった教師編に長谷川初範が完璧な決着をつける80真の最終回とも言うべき大傑作第41話「思い出の先生」、男女合体変身が不評だったため無理矢理引き裂かれた北斗と南の関係を見事に描ききって高峰圭二と星光子が感動のラストを送る第44話「エースの願い」とオールドファン感涙の傑作がオリジナルキャストで続々登場(エースの声は納谷悟朗に戻ったし、メフィラス星人は加藤精三だったし)。地球人に新マンをジャックと呼ばせなかった第45話「デスレムのたくらみ」の脚本も偉い。過去のシリーズ、設定をキッチリ踏まえたうえで作られているからお父さん達も納得。シリーズ構成を担当した赤星政尚をはじめ、分かっているオタクが作っているなぁと感心します。最終3部作は残念ながら前半2話で燃え尽きてしまったし、篠田三郎が出なかったとかゾフィーの声が浦野光じゃなかったとかいう不満もあるけれど、ウルトラシリーズの完結編としてファンを大満足させた大傑作。主題歌も神曲。後の作品(超8兄弟とか大怪獣バトルとかウルトラマンゼロとか)なんか見なくてもいい。私たちのウルトラマンは、メビウスで実に幸せな最後を迎えた。M78星雲の物語は、これで完璧に環を閉じた。これに勝る喜びはありません。スタッフとキャスト全員に心からお礼を言いたい。「ありがとう」と。これが我々からの「心からの言葉」だ。

 ところでリュウを演じた仁科克基は、松方弘樹と仁科亜季子(美人)の長男、バリバリの二世俳優である。で、多岐川裕美の娘、華子(美人)と結婚したと思ったらあっさり離婚、せっかくの美人をキズモノにしやがった。ドーデモいいがムカつく。それと、サコミズ隊長役を好演した田中実が自殺してしまったのがつくづく悔やまれる。合掌。


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