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ダイキチデラックス

西遊記

[出演]堺正章、夏目雅子、岸部シロー、西田敏行  1978年


それは、次回の講釈で

 昔むかし、この世に人間が現れる遥か前、世界は天も地もひとつになり、どろどろと溶岩のように漂い流れておりました。やがてそれが少しずつ固まり、4つの大陸ができました。その中の一つ、東勝神洲の一部に山がありました。その名を花果山と言います。その後、何万年経ったことでしょう、この花果山に不思議な石が生まれました。石から生まれたこの卵は、まるで霊魂でも宿っているかのようです。そして、ある嵐の夜……。

 というわけで、西遊記である。写真を見てもらったらわかるのだが、はまり役という言葉は本作のためにあるというキャスティング。当時、堺32歳、夏目21歳、岸部29歳、西田31歳と脂がのりまくり、堺のアクションはキレキレだし、供の3人の掛け合いは(ほとんどアドリブじゃないかと思われるが)もう最高。このほか、お釈迦様が高峰三枝子、菩薩様が勝呂誉、太宗皇帝が中村敦夫と重々しく、ゲストもハナ肇、天本英世、緑魔子など超豪華。音楽はゴダイゴが担当し、主題歌は大ヒット(個人的には挿入歌である「THANK YOU, BABY」が大好きだ)。真木小太郎(マイク真木のお父さん)による衣装デザインが素晴らしく、特にレギュラーメンバーの衣装として、これ以上のものはないと断言できる。ただ、円谷プロ協力の特撮が、当時としてもショボイのではないかという気がするのが玉に瑕。  

 とにかく面白すぎる内容で、当時9歳だった私は食い入るように見ていたものでありました。こういうのを幼少期に見てしまったせいで、最近の役者の芝居なんぞ、ちゃんちゃらおかしくって見ちゃいられなくなってしまったのである。このドラマを見れば、本物の役者の力量ってのが、よく分かります。で、好評を受けて『西遊記Ⅱ』が製作されたが、八戒が左とん平に変わってしまったのは実に残念だった。左とん平も上手いけれど、西田敏行とは、あまりにもイメージが違いすぎる。見た目もブタって感じが、あんまりしないし。藤村俊二もレギュラーになって、アドリブ合戦が熾烈化しただけに、西田の不在が実に惜しい。もしも西田が出ていたら、続編なのに面白さパワーアップという稀有な作品になっていたかもしれないのに、もったいないことである。それにしても、西田敏行って、そんなに忙しかったのかなぁ。『特捜最前線』も忙しすぎて降板してるし。やっぱり舞台やってると時間取れないのかなぁ。


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