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ダイキチデラックス

交響組曲 新 宇宙戦艦ヤマト & 宇宙戦艦ヤマト

[音楽]宮川泰 宮川彬良  2000年


SPACE BATTLE SHIP YAMATO ETERNAL EDITION File No.0&1

 『宇宙戦艦ヤマト』が、日本アニメ最大のエポックだったことは、まず間違いないでしょう。大河ドラマとしての構成、充実した内容によって獲得した広い視聴者層、劇場版公開を契機にした国民的熱狂……。

 もちろん、その後『機動戦士ガンダム』だの『超時空要塞マクロス』だの『新世紀エヴァンゲリオン』だのといった、時代を画する作品は生まれてくるわけですが、『ヤマト』が最も偉大で、後の作品が絶対に超えられないのが「音楽」です。アニメのBGMを「音楽」として誰も評価してなくて(もちろん、『ヤマト』以前にも素晴らしい音楽はあったけれど、一般的には誰も気にしてなかった)、ましてや商品として成立するなんて夢にも思ってなかった愚民どもに、「どんなもんじゃい!」と提示された素晴らしい作品。つくづく宮川泰は偉い。そして、それを許した製作スタッフも偉い。

 というわけで、そんなBGMは、『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』というアルバムになって発売されたのでした。それはそれは出来の良い、素晴らしい、美しい作品でした。でも、あれを通して聞くのは、ちょっと覚悟がいるって言うか、クラシックとかシンフォニーとかって、ちょっと緊張するやん。おまけに一曲が長いから途中で眠くなるし。第2弾にして真の完結編(『完結編』というタイトルの映画じゃないですよ。あんなもんはカスです、カス!)『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』に関しては、BGMより交響組曲の方が良かったけどね。あれは、まず、交響組曲で作って、それをBGMに分解したらしいですね。以上、ちょっとした豆知識でした。

 と、まぁ、それはさておき、驚くべきことに、『ヤマト』全シリーズのオリジナルBGM集が出ました! 2枚組で各作品を追っていくそうです。すごいねぇ、好きな人は飛びつくやろうねぇ。さて、これは原点、第1作のBGM集。BGMと侮るなかれ、一曲一曲の完成度たるや驚愕の一語。贅沢な作品やったんやなぁと再認識してしまいます。何と言っても川島和子のスキャットが美しいねぇ。もぉ1枚の方、『新宇宙戦艦ヤマト』は、描けば描くほどドツボにはまる松本零士が、懲りもせず描き始めた新作らしいけど、正直そんなもんに興味はない。ただ、この組曲は、今までの名曲をちりばめていて、なかなかの佳作。個人的には大好きな「新コスモタイガー」のメロディーが聞けるのが嬉しい。それにしても、もぉ30年近く昔の作品なんですなぁ。なのに、まったく古びていない。永遠の名曲。


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