ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ダイキチデラックス

テレビ・オリジナルBGMコレクション 科学忍者隊ガッチャマン

[音楽]ボブ佐久間  1987年


ある時は五つ、ある時は一つ。実体を見せずに忍び寄る白い影!

 実際、このボブ佐久間という人はイカス。なんと京都市立堀川高校音楽科(現京都市立音楽高校)卒業。いやぁ、京都出身の偉人ですね。生まれは兵庫県らしいですけど、そんな細かいことは言いっこなし。

 山下毅雄作品のアレンジも多数こなしたらしいですが、やっぱり小林亜星作曲、ボブ佐久間編曲というのが名コンビで、オタクなお友達には、このコンビは『科学忍者隊ガッチャマン』や『宇宙の騎士テッカマン』、『ファイヤーマン』を作ったというだけで神同然。もぉ、自然と拳を握り締めて髪を振り乱して歌ってしまうカッコ良さに満ち溢れていたりする大名曲群ですね。実は、そんなに特撮やアニメに関わりが深いわけじゃないんですけどね。世間的には、『クイズダービー』のテーマ曲を作った人、と言った方が通りがいいかもしれない。いずれにせよ、名前のインパクトが強烈ですよね。ボブ佐久間。何故ボブ。ボブってロバート。

 そのボブ佐久間がBGMを担当したのが、かの名作『ガッチャマン』。このBGMの素晴らしさときた日にゃ、後に作られた続編(音楽担当は違う人)やオリジナル・ビデオ(音楽担当は、何をトチ狂ったか、アース・ウィンド・アンド・ファイアーのモーリス・ホワイト)でも流用されるほど。まぁ、テレビの続編ものではありがちなことですが、ボブ佐久間の曲のインパクトが強すぎて、別の曲なんか考えられませんな。正直なところ、曲自体は、むちゃくちゃ個性的とかいうわけではないんですが、『ガッチャマン』には、この曲しかないでしょ、という、ある意味、劇伴として理想的な仕上がりということなのでしょう。

 特にオリジナル・ビデオに流用するのって、抵抗あったと思うんですよ。いくら予算を使ったのか知りませんが、鳴り物入りで、わざわざモーリス・ホワイト連れてきて作曲させたのに、あまりにスカした音楽だったので見てる方は盛り上がらないこと夥しい。多分、かなり不評だったんでしょうねぇ、第2巻以降はボブ佐久間の曲がバンバン流れておりました。そりゃあなぁ、モーリス・ホワイトかビル・メイヤーズか知らんけど、ヒーローものの何たるかを分かっとらん毛唐どもにイカスBGMが作れますかいな。外国のヒーローなんて爽快感ゼロですからね。文化が違うっちゅうのは、えらいもんですわ。せやから俺らが鯨獲るのに文句つけるなっちゅうねん。まぁ、向こうさんも「ボロい儲けやなぁ」って程度で、小手先でちょちょいっと作っただけなんでしょうけどね。やはり、作り手の愛情というものが一番大事なんですよ。


copyright©Daikichi_guy 1999-2020  all rights reserved.