ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ダイキチデラックス

THE POWER OF SUGGESTION

KARMINSKY EXPERIENCE  2003年


エスニック・ラウンジの隠れ名盤

 こういうのは、ジャンルとしては何になるのかな?まぁラウンジって括りの中にはあるみたいなんですけど、ラウンジって、ものすごく曖昧な括りですからねぇ。私が聞いた感じではアジア風味の『テクノドン』(YMO)って雰囲気でしたね、ハイ。懐かしいですね、『テクノドン』。当時は、あのYMOが帰ってくるってんで大騒ぎになったもんですが、蓋を開けてみたら期待ハズレだったもんで、随分貶されまくってましたなぁ。今聞いたら、普通のアルバムなんですけど、結局、みんなYMOの再生に、明るく楽しいテクノポップを期待してたのか、ああいう「普通の」テクノが出てきたことに拒否反応を示したのかもしれませんね。

 と、まぁ、それはさておき、このアルバムですが、arch recordsでは「キンキーでエスニック」って紹介してました。「キンキー」って「風変わりな」って意味らしいです。それだけならいいんですが「性的に変態」って意味もあるらしい。そう思ったらキンキー・キッズって恥ずかしい名前ですね。間違っても海外公演なんぞできませんね。あ、こんなこと言うてたら怒られますね。殺されますね。気をつけましょうね。

 カーミンスキー・エクスペリエンスって、ラウンジのコンピでは有名らしいですね。私ゃ全然知らなかったけど。ジェームス・ナンズとマーティン・ディングルって人たちがやってるロンドンのDJチームなんだそうです。でも、キーワードはラテン、中近東、シタール、サイケ。単にラウンジものといっても音的には様々で、女性ヴォーカルをフィーチャーしたヒップなテイストの曲から、シリアスなインスト、エレクトリック・シタールが活躍する60's懐古調のもの等まで、ヴァラエティに富んだラウンジ・ミュージックが詰まった一枚。

 いい仕事してるんですが、DJ、と言われると、つボイノリオしか頭に浮かばない私は昭和の人間です。しかし、DJのオリジナリティとかクリエイターとしてのアイデンティティとか、横文字多くて申し訳ないですが、そういったものは、どういうふうに位置付けられてるんでしょうね。どうも普通のミュージシャンと同列に論じるのに違和感を感じるんですけどね。


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