ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ダイキチデラックス

IT MAY SOUND SILLY

GLADSTONE ANDERSON & MUDIES ALL STARS  1972年


君は「河原町のジュリー」を知っているか?

 2003年の夏は涼しいねぇ。こないだもバスに乗ってたら、おばはんが喋ってましたわ、「この時期に窓開けたら寒いて、なんちゅうこっちゃ」とか大声で。お前らが暑苦しいっちゅうねん。涼しくて過ごしやすくて言うことなしじゃないですか。いや、ありがたいですわ、まったく。私ゃ暑いのはダメなんでね。気温が25度を超えるとダメね。そんな気温でね、仕事なんかしてたらあきまへんで。死にまっせ。もぉ、生命維持だけでいっぱいいっぱいになるし。あんまり暑いんでサマータイム導入なんてことを言う政治家もいますが、私はシエスタを導入すべきだと思いますね。日本人は働きすぎですよ。まぁ、夏が涼しいと、農作物的には心配ですなんですけどね。私の愛して止まぬ梨の出来に関わりますからね。梨は夏場に暑くないと甘くならんらしいから。それにしても、なんで梨は一年通して店頭に並ばないのかね。

 さて、このアルバムは今年の夏のように爽やかです。ジャマイカン・ジャズと謳われていますが、こういうのってレゲエのリズムとは違うんでしょうか。ジャマイカといえばコーヒーとレゲエですから、素直にレゲエって言えばいい気がするんですけど、わざわざジャマイカのジャズだって言ってるのは何故なんでしょうね。聞いてる方にしてみればどうでもいいことですけど、ちょっと気になりますな。そう言えば、最近言いませんね、「レゲエのおじさん」って。

 で、この、グラッドストーン・アンダーソンという人は、まさしく「レゲエのおじさん」の名にふさわしい経歴の持ち主(見かけが、じゃないですよ)。レゲエの基の基であるスカ(50年代にジャマイカで発祥したポピュラー音楽のジャンル)の流行に大きな役割を果たしたバンド「ザ・スカタライツ」のオリジナルメンバーとして活躍し、スカのビートがゆっくりになったロックステディ(1966年から1968年に流行)を経て、ジャマイカのフォーク音楽であるメント、アメリカのR&B、トリニダード・トバゴのカリプソ、ラスタファリアン(30年代にジャマイカの労働者階級と農民を中心にして発生した、アフリカ回帰主義を奨励するラスタファリ運動実践者)の音楽であるナイヤビンギ、コンゴのクミナ、西アフリカのジョンカヌー、マーチなど多様な音楽の影響を受け成立したレゲエに至るまで、その発展を影で支えてきた「ジャマイカン・ミュージックの父」であり、ジャマイカ最高峰の鍵盤奏者です。なんでも『ラフン・タフ』というドキュメント映画もあるそうです。その人の1st ソロ・アルバムにして、ジャマイカン・イージーリスニングの最高峰と評されています。とにかく爽やか、メロウな名盤。木陰でうたた寝、みたいな。ハンモックで。おぉ、ハンモック!う~ん、寝てみたい(←古い)。


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