昭和46(1971)年から52(1977)年、いわゆる変身ブーム(第2次怪獣ブーム)真っ只中のヒーロー番組のオープニング、エンディング46曲を収録。しかも、フルコーラスです。文字通りの徳用盤なので、この2枚組さえ持ってりゃ、一通りのヒーローソングは押さえられるというスグレモノです。なお、仮面ライダーシリーズは収録されていません。変身ブームを語るには外せない番組ですが、既にいろんなCDが出てますから、ここでは、なかなかCDにならない単発モノを収録しているのです。これは嬉しい配慮ですね。
第2次怪獣ブームの発端となった『スペクトルマン』をはじめ、『超人バロム1』、『人造人間キカイダー』、『ロボット刑事』、『イナズマン』、『快傑ライオン丸』、スーパー戦隊シリーズから『秘密戦隊ゴレンジャー』、『ジャッカー電撃隊』といったメジャーどころから、『アクマイザー3』、『快傑ズバット』、『ザ・カゲスター』、『忍者キャプター』などの通好み、正直「?」と思わせる『魔人ハンターミツルギ』、『白獅子仮面』なんかが収録されています(『ワイルド7』も入ってるけど、変身ブームと関係あるのかなぁ……?)。
非常にバランスのよい選曲なので、私みたいなすれっからしのマニアには、あんまりウェルカムしないかも知れませんけど、当時子どもだった普通のオジサンたちが昔を懐かしむにはちょうどいいんじゃないでしょうか。それに基本って奴は大事ですからね。このアルバムは、昔、LPで発売されていて、それを持っていたのですが、「ワイルド7」と『風雲ライオン丸』のエンディング・テーマ「行くぞ!ライオン丸」(これは名曲!作曲と歌唱はデューク・エイセスの和田昭治)が聞きたいばっかりに、改めて買ってしまいました。
しかし、ライナーが酷いです。LPのライナーを何も考えずに流用してるし、しかも誤字脱字だらけ。もうちょっと気を遣って書いてくれてもいいのに、と残念でなりません。コアなマニア向けではないからか、作り手の愛があまり感じられない作りです。おまけに、ジャケットにNGスーツの写真を多用していることも謎です。これまた深く考えずに、最初の撮影会の写真を引っ張り出してきて使ったのだとは思いますが、皮肉にも貴重な資料集になっています。ジャケット写真が小さくて見えませんかねぇ。目の色が違う超神ビビューンとキカイダー(キカイダーはベルトも違いますね)、マフラーのないズバット、腹の部分が違う大鉄人17、スーツ素材が違うアカレンジャーが見られます(それにしても、鉄人タイガーセブンと変身忍者嵐は何故、写真じゃなくてデザイン画なのだろう?)。