ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ダイキチデラックス

プリキュア映画主題歌コレクション

2011年


なんやかんやで大人気の長寿番組になってしまった……

 名作「おジャ魔女どれみ」シリーズが4年間の放送を終え、後番組として『明日のナージャ』なる番組が、本田美奈子の憂鬱な歌声とともに始まったとき、全国の視聴者はガッカリしたに違いない。あまりにも違う作風、あまりにも暗い話。こんなもん、日曜の朝から見せるなよ。というわけで、やっぱり低視聴率に終わったナージャの後を引き継いだのが、『ふたりはプリキュア』でした。これを見た人たちも一斉にガッカリしたに違いない。あまりにも絵が下手で低クオリティ。あまりにもセーラームーンと同じ。

 しかし、たったひとつだけ、褒めてよいところがあったのです。それが主題歌。実に久々に強烈に耳に残るキャッチーな歌でした。一度聞いたら忘れられない、アニメソングとして必須の(そして最近忘れ去られている)特質を備えております。試験中に一節が浮かんだら、ぐるぐるぐるぐる脳内を駆け巡って止まらず、テストは赤点御陀仏、間違いなし。イントロはピンクレディー「渚のシンドバット」、サビはBAY CITY ROLLERS「ROCK'N ROLL LOVE LETTER」という、パクリまくりの曲ではあるものの、この出来の良さは尋常ではありません。

 そのせいか、まさかまさかの大人気で、2012年には第9弾『スマイルプリキュア!』の放送が開始されたのであります。こんな長寿シリーズになるなんて、誰が予想し得たでしょうか。相変わらずアニメ自体はつまらないですが、主題歌は一定のクオリティを保っています。初代歌手である五條真由美の歌声も素晴らしく(『夢色パティシエール』の主題歌もグー)、この曲でラジオ関西賞(主題歌賞)を受賞したとのこと。後を継いだうちやえゆか、工藤真由、池田彩といった人たちも頑張っています(宮本佳那子の歌声だけは受け付けないのだが……)。第6弾『フレッシュプリキュア!』以降のエンディングは、松浦亜弥の物真似でお馴染み(って最近見ませんが)、「仕事がオカマでプライベートがホモ」前田健が振り付けを行っています。

 で、このアルバムは、劇場版第10作『プリキュアオールスターズDX3 未来に届け!世界をつなぐ☆虹色の花』公開を記念して発売された映画主題歌ベストアルバム。これは歴代プリキュアが世界観とか設定とかを完全に無視して、とりあえず全員集合するという最近の東映の悪しき風習を踏まえまくっている映画なのですが、それはこの際措くとして、第7弾『ハートキャッチプリキュア!』までの主題歌が全部聞けるスグレモノです。劇場用なので、アレンジや歌手が違ったりしていますが、元の曲が良いので、あんまり支障になりません。徳用盤として推奨できる好アイテムですね。


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