ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ダイキチデラックス

ラジオ

はせはじむ  2003年


夏嫌いな私でも、こんなリゾートなら楽しんでみたい

 夏というのは暑すぎて、生命維持でいっぱいいっぱいになりますから、娯楽に向けるエネルギーなんて湧きようが無いのです。夏になると張り切る人がいますが、あれは正常な判断ができなくなっている脳みそ熱暴走状態だと思います。クーラーあってこその夏。蚊取線香あってこその夏。蚊取り線香って、いい匂いしますよねぇ。

 で、夏の音楽といえばサザンオールスターズかTUBEというのが相場ですが、私、実はTUBEのどこがいいのか分からないんですね。サザンには感じない嫌悪感が湧き起こるんですね。ものすごく胡散臭いというか、信用ならんというか、いちびってんなよ、コラって感じがするんです。まぁ、TUBEが好きなんて人は、若者の王道でしょうから、人生裏街道の私とは合うはずがないですよね。

 というわけで、そんなありきたりな夏の音楽に飽き足らないあなたのために、この1枚。コンセプトは「リゾートでラジオ」。旅先のビーチで気まぐれにチューニングを合わせたラジオから流れてきた……ということで、ヒップホップ、ハウス、レゲエ、ジャズ、カリプソ、ラテン、ロック、ニューウェーブ、サーフなどなど、バラエティーに富んだ楽曲をリミックス気分で楽しくお料理。

 特にスティール・パンの音色がたまりません。このカリブ海生まれの楽器が、実に涼しい風を運んできてくれるのです。そして、カリブといえばカリプソ。カリプソといえばソニー・ロリンズというわけで、「セント・トーマス」のメロディーも聞こえてくるではありませんか。そうかと思えば、リチャード・クレイダーマンの「綿の国星」まで使ってますね。

 なんて言うんですか、プールサイドでサングラスかけて、でっかい椅子みたいなベッドみたいな奴に寝そべって、サイドテーブルにはカラフルなトロピカルドリンクって風情の、リゾート気分丸出しの音楽です。やっぱりリゾートってのは、寝そべってるイメージですよね。夏だ!海だ!太陽だ!ってはしゃぎまわるのは子供のすることですよ。大人は木陰で優雅に過ごすべし。そのお供には、このアルバム。はせはじむ、なかなか洒落たアルバムを作ってくれます。この人、なんでも東京トップレベルのクラブの人気DJなんだそうです。どんな人か全然知りませんけど、多分、はせさんじとは関係ないんでしょう。


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