ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ダイキチデラックス

FUNKADELICA

2001年発売


西欧の人々にとっては、所詮亜細亜はゲテモノの国

 ヨーロッパで最もオシャレなパーティー、それが「ファンカデリカ・ナイト」!……なのだそうです。このアルバムは、ヨーロピアンでトレンディなDJ達によるコンピレーション・アルバムで、「ファンカデリカ・ナイト」を彩った曲が収録されています。昔で言うところのディスコ・ミュージック集ですね。こういう説明の仕方が我ながら年寄りだなぁと思ったりするのですが、別にいいじゃねぇか!俺は、そういう世代なんだよ!

 ……で、このアルバムの特色は、全編に漂うインド臭。アジアの伝統的民族音楽にバリバリに影響をうけたDJが集まっていたということで、コテコテのインド系ダンスものとなっています。ジャケットからして、こんな感じです。なんか、この楽器の形が卑猥で(以下、謎の妨害電波)。

 イタリア人がメインとなって、アジア・アラビアの民族音楽、エレクトリック・サウンドをミックスさせた「エイジアン・ブレイクビーツ」をコアに展開……え~、何のことやら分かりませんが、とにかくシタールだのタブラだのを使って、なかなか面白い音楽をやっています。インド系ダンスものってことで想像される、ちょっとこだわりを見せるカレー屋に行くと流れているような変に瞑想的で眠気を誘うような曲ではなく、ノリが良くて聞きやすい仕上がりとなっております。まぁ、そういう意味では、民族音楽を期待する向きにはウェルカムしないかも知れませんが、こういうのも珍しくって良いでしょう。インドのダンスと言ったって、首をくねくね、頭に金色のウンチみたいなのを載せて怪しい動きをするアレじゃないですよ(インドネシアと混同している部分アリ)。どうしても集団でくねくねしているのにキレが良い動きを見せるマサラ・ムービーを思い出してしまうんですが、ああいうのとはちょっと違います。なにしろ、これはクラブ音楽なんですから、って、クラブなんてところに行ったことないんで、それがどういうものなのかは分かりませんが、とにかくヤングな音楽なんだろ!ナウいんだろ!それで、いいじゃねぇか!

 ……ロンドンのブルーノート・クラブから、ローマ、ブタペスト、アムステルダム、トリノなどヨーロッパ中のクラブを席巻したらしいのですが、本場インドにも、こういう文化があるのでしょうか。クラブなんてものは、あんまり上品じゃない文化のような気がするんですが、宗教的な戒律が厳しそうな国というイメージのインドにもあるんでしょうか。宗教がキッチリ生活に根付いていれば、「それはそれ」みたいなことで案外割り切れるものなのかも知れませんが、本場の人たちが触れられない音楽というのは、なんだかなぁって気がします。それはともかく、平凡な毎日に飽きてきて、ちょっと変わった刺激のある音楽を聞いてみたいけれど、変わりすぎなのはちょっと……という根性なし(俺のことか?)、いや、単なる野次馬(あぁ俺だよ!)、もといオーディナリー・ピープルの貴方にオススメです。


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