ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ダイキチデラックス

SELDON POWELL SEXTET

SELDON POWELL  1956年録音


チョコレート・ダンディって言うんだって

 そんな綽名なんぞ、ドーデモイイ。って言うか、こういう風に名づけて悦に入っているジャズ評論家って嫌ね。チョコレートってのは、黒人だからでしょ。今なら一発アウトな綽名でしょ。ジャズ評論の世界じゃ黒いの白いのって当たり前に使ってきたから、まだ柔らかい表現なのかも知れんけどね。

 さて、歳を取ったせいか知らんが、すっかりレスター系寛ぎの演奏ばかり追い求めるようになった昨今、実に何とも素晴らしいテナー奏者に巡り会ってしまった。セルダン・パウエル。なんでもリーダー作はほとんど無いらしくて、知る人ぞ知るみたいな存在らしい。知ってるんなら教えてくれよって思うんだが、ジャズ評論家ってのは、お決まりの、特定のアルバムしか紹介してくれない。独自性を出す度胸がないのか、秘匿することで優越感を保ちたいのか、だからガイド本が十年一日の如しって有様なのだね。まったくジャズ評論家ってのは能無しの集まりだよ。

 そんな恨み言はさておき、このアルバム。共演しているトロンボーンのジミー・クリーブランドの演奏もよろしくて、実に気持ちいい一枚に仕上がっている。一曲当たり3分程度というコンパクトさも聞きやすさの一因かしら(まぁ、12曲で35分ってのはコスパが悪いと言われるかも知れんが)。それとジャケットの色味がよろしい。この、くすんだような緑みたいな青。これこそジャズの色だと思う。いいですよ、これは。愛聴盤として扱うにふさわしいアルバム。


メニュー

  1. トップページ
  2. 特選名曲
  3. 特選名著
  4. 特選名画
  5. ヴァイブの殿堂
  6. PROFILE
  7. BLOG
  8. BBS
  9. LINK

おすすめ情報

copyright©Daikichi_guy 1999-2020  all rights reserved.