ダイキチ☆デラックス~音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ダイキチデラックス

Primitive Cats

Cy Touff and Richie Kamuca Quintet & Octet  1955年録音


バス・トランペットって知ってる?

 リッチー・カミューカというテナーサックス奏者が好きなのだ。同じテナー・サックスなら、ジョン・コルトレーンだのソニー・ロリンズだのといったあたりが有名どころで人気も高いんだろうが、私はズート・シムズとかスタン・ゲッツの方が断然好きだ。ブリブリと美しくない演奏をする連中は嫌いだね。リッチー・カミューカはマイナーな存在なのが、マニアになりたい俗物である私の心をくすぐって素晴らしい。実に滑らかな美しい音色。明るくて、爽やかで、ノリノリの演奏。1950年代のウエスト・コーストのジャズこそ、聞いてて一番気持ち良いものだと信じて疑わない私は、この人の演奏が大好きなのである。

 で、そんなリッチー・カミューカのアルバムを探して、モード盤のカルテットとか、『ジャズ・エロティカ』とかを買ってニコニコしていたところ、こんなアルバムを発見。リーダーであるサイ・タフという名前をガイド本で見たのは、寺島靖国の本だけ(ただし、紹介されてたのは、このアルバムではない)。さすがひねくれ者の面目躍如。ガイド本なんて何冊も出ているけれど、寺島本以外の中身はみんな同じだから仕方ないけどね。しかし、寺島本はガイド本としてはイマイチ信用しきれない部分もあるので要注意。寺島はエッセイを読んで楽しむべき人であって、ガイドは信用してはいけない。寺島ガイドは、あくまでアルバム探しのとっかかりにしか使っちゃダメ。文章を読んでも、どんな演奏だかサッパリ分からないから。

 脱線しちゃったので話を戻すと、サイ・タフはバス・トランペットというものを吹くらしい。そんな楽器があるなんて全然知りませんでしたよ、私ゃ。聞いてみると、トロンボーンみたいな音を出すのだね。例の、いい湯加減な音色です。というわけで、テナー・サックスとトロンボーンのアルバムだと言われても、まったく違和感のない雰囲気で、それはそれで変わったもの好きな私には残念だったんだが、気持ち良い演奏であることは間違いない。こういうのがあるんだから、まだまだ好盤ってのが埋もれてるんだろうなぁ。


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