私はケチだけれど、お徳用盤CDってのは、実はあんまり好きではない。歳のせいか、長時間聞き続けるのがしんどいのだ。でも、もともと10インチ盤だったアルバムなんてのは、よほどビッグネームのミュージシャンじゃなけりゃ、単品でCDにしてもらえやしない。このボブ・クーパーは、西海岸のオーボエ奏者(テナーサックスも吹く)ということで、ただでさえマイナー、下手すりゃキワモノのゲテモノなので、単品CDは少ない。というわけで、このアルバムは、なんと4枚のアルバムを2枚のCDに詰め込んだ品物なのである。でも、CDケースは薄型。昔は2枚組って言えば、厚みが3センチくらいのケースに入ってたもんだけど、技術は進歩してるねぇ。
1枚目は「Kenton Presents Jazz Bob Cooper」と「Shifting Winds」のカップリングで、こっちの方がスッキリ聞ける出来の良さ。その証拠に、復刻の帝王、スペインのフレッシュサウンドはこの2枚だけのカップリング「Group Activity」を出していて、さすが分かってるねぇってな感じである。
2枚目は「Flute'n Oboe」と「Coop!」のカップリング。前者はバド・シャンクのフルートとの共演というところまでは良いんだが、バイオリンとビオラなんてものが入っているせいで陰鬱かつ辛気臭くて聞いちゃいられない。これが入ってるせいで、全体の価値が下がると言っても過言ではない。後者は単品CDも出ていて、ヴァイブ好きとしてはヴィクター・フェルドマンが入っているのが嬉しい。
というわけで、もっぱら1枚目を聞く日々なのではあるが、世の中には、更に2枚のアルバム「The swing's to TV」と「Blowin' Country」も詰め込んで4枚組にした「6 Classic Albums」なんぞという恐ろしげな商品もあるのである。素直に3枚組CDにしてやりゃいいものを、CD1枚あたりにアルバム1.5枚分という中途半端な収録の仕方が気持ち悪い。しかし、CDなんて物自体、時代遅れの骨董品となりつつある配信全盛の今、復刻してもらえるだけでも御の字なのかもしれない。