本文へスキップ

ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

テリー・ギブス TERRY GIBBS


 あんまり有名でもないけれど、まったくのマイナーってわけでもない、実に中途半端なポジションのアーティストですが、決して作品がつまらないというわけではありません。『ヴァイブス・オン・ヴェルベット』ってアルバムがあるらしくて,寺島靖国がよく紹介しているんですよ。好きでねぇ、寺島靖国の文章。手軽に読めるエッセイってそんなにないですし、貴重なのよね。客観的な視点というものがなくて、思い入れだけで書いているから、アルバム紹介のガイド本として読むにはちょっと不適当ですけどね。まぁ、その思い入れの部分がエッセイとしては面白いんですけどね。それはさておき、『ヴァイブス・オン・ヴェルベット』を聞きたくて仕方ないんですが、CDになっていないんですねぇ。


 まぁ『ヴァイブス・オン・ヴェルベット』に限らず、この人のアルバムは、あんまり店で見かけません。比較的手に入りやすいのは、最近のクラリネットのバディ・デフランコとの双頭コンボのアルバム『TERRY GIBBS & BUDDY DeFRANCO PLAY STEVE ALLEN』(1998年録音)ですね。クラリネットは何とも言えずまろやかな音で鳴るので大好きです(たとえパパから貰わなくても、だ!)。なにしろベニー・グッドマン・セクステットが演奏した「エア・メイル・スペシャル」という曲を聞いてクラリネット・ファンになったくらいでして。ここでクラリネットを演奏しているバディ・デフランコは『ミスター・クラリネット』の異名を……持っているのか勝手に名乗っているだけか知りませんけれど、まろやかで実によろしい。でヴァイブと全曲アレンジを担当するのはテリー・ギブス。素晴らしい。曲も楽しく、やれホットなアドリブがどうのとか難解な技術がこうのというような代物ではないので御安心。まろやか爽やか心地よしで言うことなし。新しい録音なので音もでかくてイイですよ。ただ、ジャケット・デザインのセンスはイマイチね。


 一方、こちらはきれいなジャケットですね。内容もいいですよ。なんと言ってもケニー・バレルのギターが光る『テイク・イット・フロム・ミー』(1964年録音)。


 さすがモード・レーベル!なジャケット・デザインが嬉しい『A JAZZ BAND BALL, Second Set』(1957年録音)は、テリー・ギブス、ヴィクター・フェルドマン、ラリー・バンカーの3人ヴァイブ競演という正気の沙汰とは思えないアルバム。3人が3人とも、いまいちメジャーじゃない人というのが、また素晴らしい。とりあえず揃えておけ、みたいなやっつけ仕事精神が胸をうちます。