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ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

ゲイリー・マクファーランド GARY McFARLAND


 御存知、ラウンジーなアルバム作らせたら天下一品のお人です。こういう作風にはヴァイブは実に良く合いますからね。さて、ゲイリー・マクファーランドと言えば、やっぱり『ソフト・サンバ』(1964年録音)が一番有名。ビートルズ・ナンバーや「ロシアより愛をこめて」なんかをボサ・ノヴァ・アレンジ。アントニオ・カルロス・ジョビンも参加していますけれど、あんまり好きじゃないんですよねぇ。なんかベタすぎる気がしますし、超有名作品なんか紹介してもつまらないので、敢えてマイナーな『Does the sun really shine on the moon?』(1968年録音)をイチオシということにしておきましょう。といっても、中身は大して変わりません。ポップでラウンジーな気持ちイイ演奏です。ここではソニー・クリスの演奏でも有名な「UP,UP AND AWAY」なんかも取り上げています。午後のひとときにいかがですか。


 実際、みんな似たようなものなんです。中でも『ジ・イン・サウンド』(1965年録音)が代表傑作といわれるのは、参加メンバーがゴージャスだからですね。変態ギタリスト、ガボール・ザボ、そして若き日の渡辺貞夫がテナーとフルートで参加とくれば、誉めないわけにはいかないでしょ?そもそもナベサダを、ああいう芸風に走らせた張本人がマクファーランドですからね。マクファーランドがいなきゃ、「カリフォルニア・シャワー」も「オレンジ・エクスプレス」もなかったんですから。それにジャケット・デザインもいかにも、って感じでナイスですね。上から2段目、右から2つ目の黄色い丸だけ、まわりがボヤ〜ッとなっているのが分かりますかね?これってやっぱり目玉焼きなんでしょうね。なぜ目玉焼きなのかは、まるで分からないのですが、それはさておき、あのローリング・ストーンズの「サティスファクション」なんか演奏しているんですね。シャバダバ・コーラスでラウンジーに♪I can't get no〜♪なんて歌われてもリンダ困っちゃう。


 だから、まぁ1枚くらい変わったのを御紹介しておきましょう。『ポイント・オブ・ディパーチャー』(1963年録音)。珍しく大編成じゃなく、小人数コンボ演奏で聞かせます。でも、普通のカルテットなんかじゃなくて、ベース、ドラム、ギター、テナー、トロンボーン、それにオーボエなんかを使った異色の編成。参加メンバーもすごいぞ、ギターはジミー・レイニー、テナーとオーボエはリッチー・カミューカ!演奏も異色で、後のシャバダバなラウンジ・ムードなんかなくて、どちらかというと、前衛的な色も感じさせております。こう異色異色と書いていると、つまらんアルバムみたいに思えますねぇ。確かにノリノリってわけでもないし、さほどキャッチーでもないし、正直言って聞かなきゃ殺すぞ!って薦めるような作品ではないと思いますけれど、一人の奏者を一面からだけ捉えていてはつまらんですよ。こういう演奏もやるんだなぁってのが楽しいわけですよ。