本文へスキップ

ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

P.E.ヒューイット P.E.HEWITT


 さぁ、とんでもないお買い得商品が現れましたぜ、旦那方。『P. E. Hewitt Jazz Ensemble/Winter Winds The Complete Works 1968-70』だっっっ!!!サンフランシスコ、ベイエリアを拠点に、60年代から活動する幻のヴァイブ奏者にしてピアニスト、作曲家、アレンジャーであるP.E.ヒューイット(フィル・ヒューイット)が、自主制作で1968年から70年にかけてリリースした3枚のアルバムを忠実に再現し、豪華(?)ボックスに収めたコンプリート・ワークス!なんと16歳(!)の時に自主制作した1st『Jawbones』から『Since Washington』、『Winter Winds』の全3作を、まるごと聞ける徳用盤。しかも、1、2作目は初CD化!曰く「レトロ・ヴィンテージなモーダル・ジャズ・サウンドになんともスモーキーなエッセンスが極上のグルーヴと音世界を聞かせる至高の逸品」。……相変わらず、こういうアルバムの宣伝文句って、言っている意味がよく分からんですなぁ。「スモーキーなエッセンス」ってなんだ。シャウエッセンか。それにしても輸入盤で「豪華特典:44ページに及ぶブックレット付き」ってのは、却って迷惑だぞ。いくら豪華だって、英語じゃ、そんなもん読めねぇじゃねぇか。嫌味か。よくも馬鹿にしやがったな。もっとも、英語を読めない私が悪いといわれれば、ぐぅの音も出ませんが。そりゃあね、どうせ私ゃ、イエロー・モンキーのジャップですよ。♪BITCH BITCH JAP JAP ランランラン♪ですよ。で、馬鹿にされてばかりじゃムカつくので、問題点を指摘してやろう。パッケージングが酷い。確かにボックスは豪華かも知れん。問題は、そこに入っている紙ジャケ仕様の3枚のアルバムなんですよ。紙ジャケと聞いただけで怖気を奮う私ですが、まぁボックスに入っているから、今回は例外ってことで買ってやってもいいかと寛大な性格を全面公開して買ったんですけど、紙ジャケなのにCDの保護のための、何て言うんですか、あれ、内袋とか言うの?不織布ケース?あれが無い。CDがボール紙に裸で突っ込んであるだけ。なんて大雑把なんだ。CDが傷だらけになっちゃうじゃないか。こういうところが毛唐なんだよなぁ。これだから輸入盤はよぉ……くれぐれも取扱いに要注意です。ちなみに私は不織布ケースを買ってきて、ちゃんとCDを保護してあげているざます。


 でも、演奏はいいですよ。順に聞くと、この人の演奏の進化が分かって興味深いです。1枚目『Jawbones』(1968)は意外なほどに普通のジャズ。普通です。いやホント。ちょっと暗い感じの、サックスとドラムの少々不穏な響きが、『怪奇大作戦』のサントラみたいな雰囲気で、夜にしっとり聞きたいですね。


 これが2枚目『Since Washington』(1969)になると、女声コーラスがちょびっと入ってきます。どうして、こういうふうに進化したのか、なかなか興味深い。それにしても、前作同様、あんまりヴァイブが目立っていないな。オレが、オレが、って人じゃなかったんですかね。


 ラストアルバム『Winter Winds』(1970。何故か、こいつだけ単品でも発売されている)に至っては、スキャット増量で暗い目の『プレイガール』状態。怪奇大作戦とプレイガールの音楽の違いはスキャットの有る無しだったのか、と妙なところを再認識。サンフランシスコで活躍ってわりには暗いんですが、まぁ、サンフランシスコにだって雨も降れば夜も来る。暗いめだから、一般的なヴァイブのアルバムとは少々印象が違いますが、買っておいて損はないでしょう。不織布ケースもお忘れなく。