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ダイキチ☆デラックス〜音楽,本,映画のオススメ・レビュー

THE WRIGHT APPROACH

DEMPSEY WRIGHT  1958年録音

マイナーな感じがマニア心をくすぐるよ

 スイングジャーナルに『幻の名盤読本』という臨時増刊号があって、マニアには随分と重宝されたらしい。マニアというのは性質が悪い。もともとは純粋な気持ちで聞いていたろうに、そのうち「珍しい」とか「誰も知らない」とかいった点に異常な価値を置きだすのだ。ああ嫌だ。そうはなりたくない。しかし、この罠から抜け出られる人というのは、ほとんどいないようで、これを片手にレコード屋をうろうろする人が多かったらしいのだが、なにしろ1974年(昭和49年)に出た本だから、載っているのは当然LPばっかり。今となっては、あんまり役に立たないんじゃないかと思われるのだが、ところがどっこい、他のガイド本に載っていないアルバムが結構多くて、CD時代(ですらないのか、いまや)にも、それなりに有効なのである。

 何万、何十万もするオリジナル盤を探したりする気なんぞ、さらさらない私(気持ちが純粋だから、ではない。単に金がないだけ)が、ページをパラパラめくっていると、このアルバムが目に飛び込んできた。デンプシー・ライトなんて人、初めて見た。ギターのアルバムって、あんまりそそられない私なのだが、ヴィクター・フェルドマンがピアノ時々ヴァイブで参加している。で、あのリッチー・カミューカがテナーで参加しているではないか。というような興味だけでネットで試聴してみたら、案外イケるのだ。

 サイドメンの名前から惹かれるなんて、ちょっとしたジャズ・ファンみたいじゃないかと一人悦に入る私は、ストレスが溜まっていたこともあって、即購入。正直、辛気臭い演奏もあるけれど(ギターは、これだから……)、たまに聞くにはちょうどいい。ちょっと古臭めの演奏も心地よい。ジャズって、やっぱり郷愁と寛ぎの趣味だと思うのよね。それに、こんなマイナーなのを聞いているというだけで、自尊心を満足させられるのだから、良い買い物ではありませんか。ああ、しかし、こんなことで自尊心を満足させるなんて、心が卑しい。醜い。私も、やはり凡人なのである。



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